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木材コンビナートの貯木場を、なぜ7年問い続けるのか――活用案から、地元の仕事につながる場所へ

岸和田市・忠岡町にまたがる木材コンビナート貯木場。太陽光案の不成立から、府の主体性、産業用地化、環境への影響、誘致する産業へ。7年の間に問いがどう変わったかと、次に明らかになる必要があることを説明します。

2026年10月1日、大阪府議会の一般質問に登壇する前田将臣
2026年10月1日 一般質問

こんにちは。大阪府議会議員の前田将臣です。

岸和田市と忠岡町にまたがる木材コンビナートには、輸入した丸太を水に浮かべて保管していた「貯木場」があります。約76ヘクタールの水面ですが、平成の初めごろから、貯木場としてはほとんど使われていません。

この場所を活かすことが、地元企業の仕事や、地元で働く選択肢につながらないか。私は2019年の初めての一般質問以来、7年にわたって利活用を取り上げてきました。

ただ、同じ質問を繰り返してきたわけではありません。

最初にあった太陽光発電の案は実現せず、そこから「誰が中心になって動かすのか」「何に使うのか」「どう土地をつくり、環境への影響を確かめるのか」へ。そして今は、「どんな産業を呼び込むのか」が問われています。

その変化をたどると、検討がどこまで進み、何が残っているのかが見えてきます。

太陽光案が実現せず、「誰が動かすのか」を問うた

2019年に初めて取り上げたとき、民間事業者から岸和田市へ、貯木場の水面に太陽光パネルを設置する計画が提案されていました。

実現には、港の使い方を定める「港湾計画」の変更が必要とされていました。そこで、港を管理する府の対応を問い、知事にも早期の利活用を求めました。

知事からは、市町のまちづくりでの位置付けや事業化の動向を見極めながら、府として積極的に協力していく、という趣旨の答弁がありました。しかし、太陽光発電の案は採算性の問題などから実現に至りませんでした。

活用案があることと、実際に事業として動くことは別です。次に問うたのは、誰が中心となって進めるのか、という点でした。

2021年の一般質問では、この貯木場は府が整備し、港湾施設として府が管理しているのだから、府が責任を持ち、主体的に利活用を進めるべきだと求めました。

府は、木材コンビナート協会も加わる協議の場を、府が中心となって構築していると答弁しました。大阪港湾局も、検討の具体化に応じて港湾計画の変更に備えるとしました。

私は、貯木場としての機能を廃止するだけで終わらず、その先の使い方まで考えること、埋立ても選択肢に入れることを要望しました。

「使われていない場所」を、何に使うのか

府が中心となる検討会が設けられ、地元市町や木材コンビナート協会、府の関係部局による検討が進む中で、次の問いは使い道でした。

2022年には、企業の工場などに使う「産業用地」として活用する可能性を問いました。土地を生み出せれば、府内の産業用地不足を補う一助になり得るからです。

商工労働部長は、建替え需要や物流用地の不足などから、産業用地の確保は重要な課題だと答弁しました。その上で、それまで検討会にはオブザーバーとして参加していた商工労働部も、今後は構成員として参画し、産業用地について議論・検討を深めるとしました。

使われていない水面をどうするかという話から、産業のためにどんな土地が必要なのかを考える話へ。検討する内容も、関わる部局の役割も変わってきました。

産業用地にするなら、土砂と環境の検討が欠かせない

ただ、海を埋め立てて土地をつくるには、大量の土砂が必要です。

2024年の質問では、この土砂の確保が課題となる中で、埋立ての実現に向けて府が今後どう取り組むのか、府が進めていた基礎調査で何が分かったのかを確認しました。

府は、土砂の受入れ方法や排水施設、周囲の施設への影響などを調べていました。大規模事業から生じる建設発生土の状況を注視しつつ、2024年度から環境影響評価に着手し、検討を深めると答弁しました。

環境影響評価は、事業による環境への影響を調べ、予測・評価する手続きです。土地をつくる方法だけでなく、周りにどんな影響があるのかも検討する段階に入りました。

ここまでの動きは、府の判断、地元市町の要望、関係者の取組が重なって進んだものです。私の質問だけで実現したものではありません。

76ヘクタールの貯木場と、約50ヘクタールの埋立案は別の話です

ここで、検討の対象を整理しておきます。

これまでお伝えしてきた約76ヘクタールは、貯木場の水面の広さです。一方、府が環境影響評価を進めているのは、新たな産業・物流用地をつくる「(仮称)阪南港北部公有水面埋立事業」です。

その検討は、貯木場だけに場所を絞ったものではありません。2024年12月の配慮書要約書では、次の3案が比較されています。

  • 大津川河口周辺で埋め立てる案
  • 現在の貯木場を活用して埋め立てる案
  • 現在の木材整理場を活用して埋め立てる案

想定する埋立区域は、いずれも約50ヘクタール。面積などは、詳細な検討の後に決めるとされています。

つまり、貯木場全体の76ヘクタールを埋め立てると決まったわけではなく、貯木場を選ぶかどうかも決まっていません。

さらに、2025年3月の環境保全の見地からの知事意見では、瀬戸内海で埋立てを厳に抑制する基本方針などを踏まえ、埋立て以外の代替案も設定して比較するよう求められています。

事業の必要性や規模の説明、現地調査も求められました。貯木場を活用する案については、貯木場と外海の海水交換による影響も考慮するよう指摘されています。

残っているのは、3つの場所から一つを選ぶことだけではありません。埋立て以外の方法との比較も含め、なぜその場所、その規模、その方法なのかを示すことです。

土地をつくる話から、「どんな産業を呼ぶか」へ

2026年10月1日の一般質問では、産業用地の確保を、産業戦略とあわせて考えるよう求めました。

泉州エリアには、脱炭素につながる技術などを地域や産業の中で試し、実際に活かしていく「GXを実証・実装するカーボンニュートラル・ベルト」という方向性が示されています。

私は、その方向性に沿って府の部局を横断した検討を進め、誘致する産業と用地を具体化することを求めました。あわせて、カーボンニュートラル分野の国の施策も活用し、貯木場の埋立てを成長産業の受け皿として早期に事業化するよう要望しました。

これは私の質問・要望です。特定の企業の進出や、事業化が決まったという話ではありません。当日の質問内容はこちらにまとめています。

土地をつくること自体ではなく、そこに新しい産業が立地し、地元企業の仕事や、地元で働く選択肢にもつながる姿を目指したい。そのために、用地と産業を一緒に具体化する必要があります。

次に何が分かれば、前進したと言えるのか

これからの焦点は、大きく二つあります。

一つは、場所と規模、土地をつくる方法の検討です。環境影響評価の方法書など今後の手続きで、埋立て以外の代替案との比較や、環境への影響を調べる内容がどう示されるか。事業の必要性とあわせて説明されることが、次の判断につながります。

もう一つは、誘致する産業と用地の具体化です。どんな産業を受け止めるために、どこに、どれだけの用地が必要なのか。そこが見えてこそ、地元の仕事につながる可能性も、より具体的に考えられます。

7年の間に、問いは活用案から、府の役割、土地のつくり方、そして誘致する産業へと変わってきました。

一つの答弁があっても、次に具体化するべきことが残る。だから、一度質問して終わりにはできません。

長く使われていない水面を、地元の将来の仕事につながる場所にできるのか。その可能性を、案のままで終わらせないために問い続けています。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

出典・参考資料