どうも、前田将臣です。大阪府議会議員をしています。

今日は、名前を聞いただけでは、たぶん読み飛ばされてしまう計画の話です。「大阪府土地利用基本計画」。府の中の農地や森林、市街地をどう使い、どう守るか。その原則を決める計画です。
府はいま、この計画の改定素案への意見を募集しています。締切は11月2日(月)の24時。誰でも出せます。
なぜ僕が書くのか。2019年の初めての一般質問で、地元・岸和田の農地のことを取り上げたからです。住宅の間に小さく残った農地を、どう生かすのか。この素案にも、その問いに関わる書き込みがあります。
先に、出し方だけお伝えしておきます。
- 府のホームページから、オンライン(ログインが必要)、または意見提出用紙のファクスか郵送で出せます。
- 氏名・住所・電話番号は必須です。意見そのものは、数行で構いません。
この記事では、素案が何を変えようとしているのかと、関心ごとに「まずここだけ読めばいい一か所」をお伝えします。
40年で、府内の農地は約4割減りました
素案の4ページに、府の土地の使われ方の推移を示したグラフがあります。
1984年に202km²あった農地は、2024年には119km²。40年で約4割減りました。同じ期間に、住宅地は283km²から356km²へ、約3割増えています。

2019年10月4日の一般質問で、僕はこの減り方を別の角度から取り上げました。地元の岸和田丘陵地区のほ場整備とあわせて、府内の農地は「住宅等で分断され、まとまりの規模が小さいものも多く」、国のほ場整備の補助制度を使えないものがある、という点です。水なすや軟弱野菜のような高収益の農業なら、小さな面積でも成り立つのではないか。小さくまとまった農地でも、制度を使えるようにしてほしいと求めました。
府の答弁は、国の補助制度は10ha未満の農地では使えないため、国に面積要件の緩和を要望しており、制度の拡充が検討されていると聞いている、というものでした。その後の制度の変化は、この記事では追えていません。

農地は、ただ減っているだけではありません。住宅の間に、小さく、ばらばらに残っている。そのことが、守り方や使い方を難しくしています。
「広げないように守る」だけでは、土地は守れなくなっています
土地の計画と聞くと、「開発するか、守るか」の話だと思われがちです。
でも、素案が新しく心配しているのは、別のことです。
使う人がいなくなって、手入れが行き届かなくなる土地です。
担い手不足。獣害や林野火災。空き家。持ち主の分からない土地。素案は、人口減少と高齢化で土地の管理の水準が下がることを課題に挙げ、新しい基本方針として「持続可能な土地の利用・管理」を置きました。
中身は、たとえばこうです。農地は、地域で話し合ってつくる「地域計画」をもとに、担い手に集めてまとめる。これまでどおりの管理が難しい土地は、残したい土地をはっきりさせたうえで、草刈りや見守り程度の管理に切り替えることも選択肢にする。そのための地域の話し合いを、府が支える。
計画のかたちも変わります。人口が増えていた時代には、農地や森林を開発から守るために、土地の種類ごとの面積の目標を決めていました。素案は、その役割は「一定終えた」として、別にあった「大阪府国土利用計画」を廃止し、この計画に一本化するとしています。

守るか、開発するか。その二択から、「どこを、どう使い続けるか」へ。素案の重心は、そちらに動いていると僕は読みました。
この改定は、9月25日の本会議で、僕が所属する大阪維新の会大阪府議会議員団の代表質問でも取り上げています(登壇は西元宗一議員)。都市部だけでなく、中山間地域なども土地利用の方向性を示すことが重要ではないか、と府に問いました。答弁は、府議会の会議録が公開されてから改めて確かめます。
読むなら、まずこの一か所から
素案は分量があります。全部読まなくて大丈夫です。気になることに近い一か所から読んでみてください。
ページは、素案の下に印刷されている番号です(PDFの表示では2枚後ろになります)。
- 泉州の農地が気になる人は、18ページ。 市街化調整区域の農地を、地域計画をもとに担い手へ集めてまとめ、スマート技術や高収益作物への転換に向けた基盤整備を進める、と書かれています。
- 空き家や、管理しきれない土地が気になる人は、22〜23ページ。 新しい基本方針「持続可能な土地の利用・管理」です。地域計画の「目標地図」の例として、貝塚市の麻生中地区が載っています。
- 岸和田の海側の産業が気になる人は、16ページ。 「阪南港阪南2区(ちきりアイランド)等への企業誘致を進めます」とあります。
- 自分の家の周りが気になる人は、計画図の分割図「4-3」。 岸和田市が載っています。家の周りが、都市・農業・森林などのどの地域に入っているか、色分けで確かめられます。
意見は、「何ページの、この書き方について、自分の地域ではこういうことが起きているから、こう書いてほしい」。この形なら数行で十分です。府は、賛成か反対かの結論だけのものには考え方を示せない場合がある、としています。
なお、素案に地元の名前が出てくることは、そこで何かが決まったという意味ではありません。素案の文言が、その方向を向いているということです。
この計画で、すべてが決まるわけではありません
ここは、正直に書いておきます。
この計画は、府の土地の使い方の「原則」を決めるものです。ある場所を市街化区域に入れるかどうかは、都市計画の手続きで決まります。農地の集約は、地域の話し合いと地域計画で進みます。企業誘致も、それぞれの事業として進みます。
意見を出しても、一人ひとりに返事が来るわけではありません。府は、寄せられた意見の概要と府の考え方を、ホームページなどで公表するとしています。
それでも、意見を出す意味はあると僕は考えています。
原則の文言は、その後の個別の計画が「この計画に即しているか」を問われるときの、ものさしになるからです。文言を変えられるのは、素案の今のうちです。

オンラインで出すには、大阪府行政オンラインシステムへのログインが必要です。初めての方は利用者登録から始まります。登録が手間なら、府のページにある意見提出用紙を印刷して、ファクスか郵送でも出せます。意見の内容は原則公表され、氏名や連絡先は公表されません。
次に何が分かれば、前進したと言えるのか
見ていくところは、三つです。
- 寄せられた意見と、府の考え方の公表。 現在地:意見を募集中で、締切は11月2日。公表の時期はまだ示されていません。素案のどこが変わり、どこが変わらなかったのかを確かめます。
- 改定の決定。 現在地:素案の段階で、府は2026年度末(素案では2027年3月)の改定を予定しています。「持続可能な土地の利用・管理」が、決定版でどう書かれるかを見ます。
- 泉州での具体化。 現在地:調整区域の農地の集約や、ちきりアイランドへの企業誘致が、素案の文言として書かれている段階です。地域計画づくりや企業誘致が、それぞれの場でどう進むかは、別に確かめていく必要があります。
40年で、府の農地は約4割減りました。計画の考え方も、「広げないように守る」から「どう使い、どう管理を続けるか」へ変わろうとしています。
その書き方が、自分の住むまちの農地や山、海辺に合っているのか。それを一番よく知っているのは、そこで暮らしている人です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。改定がどう決まるか、この続きもお伝えします。
2026年10月27日 前田将臣
P.S. 素案と意見の出し方は、大阪府のこのページにまとまっています。上の「一か所」だけでも読んで、気づいたことを送ってみてください。締切は11月2日(月)の24時、郵送は当日の消印まで有効です。 「大阪府土地利用基本計画」の改定(素案)に対する府民意見等の募集について(大阪府)