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大阪府議会議員前田 将臣
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SNSの投資・ロマンス詐欺、去年いちばん多かったのは10月でした――振り込む前の「1手」

大阪府内のSNS型投資・ロマンス詐欺は、2025年に1,513件・約203億円。月別では10月が最も多い200件でした。手口をSNS型投資詐欺の一つに絞り、9月の府議会で会派が府警に聞いたことと、「おかしい」と思ったときに振り込む前に打てる1手をまとめます。

どうも、前田将臣です。大阪府議会議員をしています。

4コマ漫画(左上から右へ、番号順に読む)。夜、台所の食卓で預金通帳と学校のパンフレットを見て考え込む40代の男性。ナレーション「40代の会社員。子どもの学費も、老後のお金も、このままで足りるのか。少し気になっていた。」。ソファでスマホを見る男性。スマホから吹き出し「無料の投資勉強会にご招待します」、ナレーション「ある夜、SNSに知らない人からメッセージが届いた。」。スマホのグループ画面、ナレーション「招待されたLINEグループでは『もうかった』という投稿が続く。『先生』に、投資アプリをすすめられた。」。朝、上がるグラフのスマホを見てほっとする男性、ナレーション「振り込むと、アプリの画面では利益が増えていく。少しだけ出金できて、安心した。」
イラスト:AI生成(人物は実在の人の似顔絵ではありません)。警察庁が公表している手口の例をもとにしたイメージで、実際の出来事ではありません。

今日は、SNSから始まる投資の詐欺について書きます。

書こうと思ったきっかけは、カレンダーです。大阪府警の統計を見ると、去年(2025年)、府内でSNS型投資・ロマンス詐欺がいちばん多く認知されたのは10月でした。200件です。その次が12月の177件でした。

今年は、春から月ごとの件数が減ってきています。それでも、去年いちばん増えたのは秋から年末でした。これからの3か月がどうなるかは、まだ分かりません。だから、10月の終わりのうちに書いておきたいと思いました。

今日は、手口を一つに絞ってお話しします。そして最後に、「おかしい」と思ったときに、振り込む前に打てる1手を一つだけお渡しします。

去年の大阪で、いちばん多かったのは10月でした

まず、数字からです。

2025年、大阪府内で認知されたSNS型投資・ロマンス詐欺は1,513件。被害金額は約203億円でした。前の年(1,024件、約127億円)と比べると、件数は48%増え、被害金額は60%増えています。

約203億円を1日あたりにすると、約5,600万円です。

月ごとに見ると、春から少しずつ増えて、10月に200件で最も多くなりました。10月から12月の3か月だけで503件。1年の約3分の1が、この時期に集まっています。

大阪府内のSNS型投資・ロマンス詐欺の、月ごとの認知件数のグラフ。棒は2024年と2025年。2025年は1月76、2月54、3月84、4月112、5月105、6月117、7月140、8月153、9月169、10月200、11月126、12月177件で、計1,513件。10月が最多、12月が2番目。2024年は1月60、2月50、3月80、4月118、5月92、6月83、7月85、8月87、9月88、10月100、11月100、12月81件で、計1,024件。2024年の最多は4月。折れ線は2026年(9月末の速報値)で、1月157、2月159、3月160、4月111、5月100、6月94、7月93、8月79、9月68件。1〜3月は前の年の約2倍、4月からは毎月前の年を下回る。
図1 大阪府内のSNS型投資・ロマンス詐欺の月ごとの認知件数(2024年・2025年は確定値、2026年は9月末の速報値でSNS型投資詐欺とSNS型ロマンス詐欺の合計)。出典:大阪府警察「大阪府内のSNS型投資・ロマンス詐欺発生状況」(令和6年中・令和7年中、確定値)、同「特殊詐欺月別認知状況」(令和8年9月末・速報値)。2026年10月29日確認。

ただ、正直に書いておきます。2024年の月別で最も多かったのは4月でした。「毎年10月がいちばん多い」という決まりがあるとまでは言えません。

今年(2026年)は、動きが違います。1月から3月は毎月150件を超え、3か月の合計は前の年の同じ時期の約2倍でした。その後は月ごとに減り、4月からは毎月、前の年を下回っています。9月は68件で、前の年の9月(169件)の約4割です。

それでも、去年の秋から年末にかけて被害が集中したことは事実です。年末に向けて、知っておいてほしいと思っています。

「狙われるのはお年寄り」とは限りません

詐欺の話をすると、「お年寄りが狙われる話」と受け取られることが多いと思います。

電話でだます手口では、たしかにそういう面があります。府警の今年9月末の速報値では、オレオレ詐欺の被害者のうち97.2%が65歳以上です。

でも、SNS型投資・ロマンス詐欺は違います。

同じ今年9月末の速報値で、65歳以上はSNS型投資詐欺で26.7%、SNS型ロマンス詐欺で20.5%。去年1年間(2025年)でも25.0%でした。4人に3人は、65歳より若い人です。男女では、去年は男性が56.8%でした。

入り口がSNSなので、SNSを毎日使っている人なら、誰のスマホにも届きます。「自分は年齢的に関係ない」とは言えない詐欺です。

入り口は、知らない「投資の先生」からの1通です

今日は、手口をSNS型投資詐欺に絞ります。

理由は、数です。2025年の1,513件のうち、SNS型投資詐欺が1,017件。ロマンス詐欺の中にも、恋愛感情を持たせたうえで投資に誘う「投資名目」が389件あります。合わせて1,406件。9割を超える被害が、最後は「投資」の話になっています。

警察庁が示している手口の一例は、こうです。

SNSの広告やダイレクトメッセージで、「無料の投資勉強会」「著名人が教える」といった声がかかる。LINEなどのグループに招待され、そこでは「もうかった」という投稿が続く。「先生」や「アシスタント」を名乗る人から、投資アプリやサイトに登録するようすすめられる。指定の口座に振り込むと、アプリの画面上では利益が増えていく。少しだけ出金できて、安心する。

そして、大きく増えた利益を引き出そうとすると、「手数料」や「税金」を求められる。振り込みが何度も続き、最後は連絡が途絶えます。

SNS型投資詐欺の流れを7段階で示した図。1、SNSの広告やDMで声がかかる。2、LINEなどのグループに招待され、「もうかった」という投稿が続く。3、「先生」や「アシスタント」から指示され、投資アプリやサイトの登録をすすめられる。4、指定の口座へ振り込むよう言われる。5、アプリ上で利益が増えて見え、利益の一部(少額)が振り込まれて安心させられる。6、出金に「手数料」「税金」を求められ、振り込みが何度も続く。7、突然、連絡が途絶える。4の段階の横に「振り込む前に、ここで止まる」のチェック欄。SNSで知り合った相手に振込先を指定された、SNSのDMで投資の話が来た、連絡先がLINEに変わった、「必ず」「あなただけ」と言われた、振込先が個人名義の口座、振込先が毎回変わる。会社名義の口座でも、安心とは限りません。1つでも当てはまったら振り込む前に相談を。警察相談専用電話#9110。
図3 SNS型投資詐欺の流れと、振り込む前に止まる場所。出典:警察庁・SOS47特殊詐欺対策ページ「SNS型投資詐欺」(手口の一例、気を付けるべきポイント)、大阪府警察「特殊詐欺とは」。手口の一例で、すべての被害がこの順番になるわけではありません。2026年10月29日確認。

警察庁は、一度振り込んでしまうと、お金を取り戻そうとして、あとに引けなくなってしまうことがあると注意しています。

つまり、いちばん止めやすいのは、最初に振り込む前です。

9月の議会で、会派として府警に聞きました

9月25日の府議会の本会議で、僕が所属する大阪維新の会大阪府議会議員団が、代表質問でこの詐欺の対策を府警に聞きました。登壇したのは西元宗一議員です。会派として聞いたことで、僕自身の質問ではありません。

質問では、今年7月末の速報値として、SNS型投資・ロマンス詐欺を含む特殊詐欺の件数は2,506件で、前の年の同じ時期より減っている一方、被害金額は約197億円で、約51億円増えていることを挙げました。そのうちSNS型投資詐欺が約70億円、SNS型ロマンス詐欺が約23億円。二つで約93億円、全体の約5割を占めている、という問題意識です。

公式録画で確かめられる範囲で、府警本部長の答えの要旨をまとめます。

  • 被害は極めて深刻な状況にあると認識している。
  • 被害を防ぐには手口を知ってもらうことが欠かせないので、SNSでの発信、詐欺の手口を体験できる「仮想体験ツール」、AIを使った啓発動画などで、府民の危機意識を高めている。
  • 7月末時点の検挙は46件・52人で、前の年の同じ時期より26件・38人多い。取締りにも力を入れる。
  • 金融機関と情報連携の協定を結び、金融機関がモニタリングで見つけた、詐欺被害のおそれがある口座の情報を共有している。警察から口座の名義人に直接連絡するなどして、被害の拡大を防いでいる。

答弁のあと、西元議員は、被害に遭った人の早い回復をめざす取組を並行して進めることと、捜査でのAI・DXの活用を府警に求めました。

振り込む前の1手は、「#9110」への電話です

ここからが、今日いちばんお伝えしたいことです。

この詐欺には、必ず「この口座に振り込んでください」と言われる場面があります。そこが、止まれる場所です。

だから、1手はこれです。

SNSで知り合った相手に振込先を指定されたら、振り込む前に「#9110」に電話する。

口座の名前が個人でも会社でも、指定されたこと自体が合図です。そのうえで、見分ける手がかりの一つが名義です。警察庁は、投資の話が本物であれば、振込先に個人名義の口座を指定されることや、振り込むたびに口座が変わることは、まずないとしています。ただ、会社の名前の口座だからといって、安心とは限りません。名義は、迷いを確かめるきっかけの一つです。

2コマ漫画。暗い廊下でスマホの振込画面を見て顔をしかめる男性、心の声「あれ?振込先が個人の名前…」、ナレーション「『もっと大きく増やしませんか』。指定された振込先は、個人名義の口座だった。」。窓辺で落ち着いて電話をかける男性、ナレーション「振り込む前に、#9110へ。警察相談専用電話です。迷った時点で、かけていい番号です。」
イラスト:AI生成(人物は実在の人の似顔絵ではありません)。警察庁が公表している手口の例をもとにしたイメージで、実際の出来事ではありません。

「#9110」は、警察相談専用電話です。大阪府警では警察相談室につながります。府警の案内では、受付は平日の午前9時から午後5時45分までで、時間外は当直が対応するとされています。プッシュ回線でない電話からは、06-6941-0030にかけます。

警察庁のページには、「ひょっとして詐欺かも…」「不安を感じたら相談電話へ」と書かれています。詐欺だと確信してからかける番号ではありません。迷った時点で、かけていい番号です。

もう一つ、消費者ホットライン「188」もあります。近くの消費生活センターなどの相談窓口を案内してくれる番号です。

警察庁は、相手の口座に振り込むよう言われた、SNSのダイレクトメッセージで投資の話が来た、連絡先がLINEに変わった、「必ずもうかる」「あなただけ」と言われた、といった点を挙げ、1つでも当てはまったら、振り込む前に迷わず警察に相談してほしいとしています。

もう振り込んでしまった後に気づいた人も、一人で抱え込まないでください。金融庁は、被害にあってしまった場合は、警察と振込先の金融機関に連絡するよう案内しています。警察へは、近くの警察署か110番です。振込先の口座にお金が残っていれば、「振り込め詐欺救済法」にもとづいて支払われる可能性があり、口座への振り込みで被害にあったSNS型投資・ロマンス詐欺も対象です。全額が戻るとは限らず、支払われない場合もありますが、犯人が引き出してしまうと受けられないので、連絡は早いほど意味があります。

「だまされた人が悪い」では、止まりません

この詐欺の話になると、「なんでそんな話を信じるのか」という声を聞くことがあります。

でも、手口の流れを見ると、そう単純ではないことが分かります。最初は無料の勉強会。周りには、もうかったと言う人たち。アプリの画面では、お金が増えていく。少しだけなら、実際に引き出せる。信用を、段階を踏んで積み上げる仕組みになっています。

一人の注意力だけで止めるものではない、と僕は思っています。

止める場所は、いくつもあります。振り込む前の本人の1手。話を聞いた家族や身近な人の一言。金融機関が怪しい口座の動きに気づくこと。警察が、怪しい口座の名義人に連絡すること。犯人を検挙すること。答弁で挙がった取組は、このうち後ろの方を担うものです。

数字は、良い方向に動き始めています。ただ、まだ安心できる段階ではありません。

今年9月末までの府内のSNS型投資・ロマンス詐欺は1,021件(速報値)。前の年の同じ時期の1,010件と、累計ではほぼ同じです。ただ、これは1月から3月が多かったためで、4月からは毎月、前の年を下回っています。被害金額は約106.9億円で、前の年の同じ時期(約122.0億円)より約15億円少なくなっています。

大阪府内のSNS型投資・ロマンス詐欺の、1年ごとの認知件数と被害金額の棒グラフ。件数は2023年419件、2024年1,024件、2025年1,513件、2026年1〜9月1,021件(速報値)。2025年1〜9月は1,010件。被害金額は2023年49.0億円、2024年127.3億円、2025年203.2億円、2026年1〜9月106.9億円(速報値)。2025年1〜9月は約122.0億円。2026年1〜9月の件数は前の年とほぼ同じだが、1〜3月が多かったためで、4月からは毎月前の年を下回っている。被害金額は前の年の同じ時期より約15億円少ない。2023年は区分が今と違い、単純には比べられない。
図2 大阪府内のSNS型投資・ロマンス詐欺の件数と被害金額。2023〜2025年は確定値、2026年は9月末の速報値(SNS型投資詐欺とSNS型ロマンス詐欺の合計)。2023年は区分が今と違い(ロマンス詐欺に「投資名目」の区分がないなど)、単純には比べられません。出典:大阪府警察「大阪府内のSNS型投資・ロマンス詐欺発生状況」(令和6年中・令和7年中、確定値)、同「大阪府内の特殊詐欺発生状況」「特殊詐欺月別認知状況」(令和8年9月末・速報値)。2026年10月29日確認。

月ごとの件数が減り、被害金額も9月末までの累計で前の年の同じ時期より少ないのは、前向きな変化だと思います。でも、去年は10月から12月に1年の約3分の1が集まりました。

また、今年は警察官をかたる「ニセ警察詐欺」の被害も大きくなっています。9月末で約97.6億円、前の年の同じ時期より58%多い数字です。今日はSNS型投資詐欺に絞りましたが、9月末までの詐欺全体(SNS型を含む特殊詐欺)の被害金額は、前の年の同じ時期より約11%多くなっています(速報値)。

僕は、「気をつけましょう」で終わる呼びかけだけでは足りないと思っています。おかしいと思った人が、恥ずかしがらずに、振り込む前に電話できること。その1本の電話を、当たり前にしたいと考えています。

次に何が分かれば、前進したと言えるのか

最後に、これから見ていく目安をまとめます。

  1. 10月から12月の件数が、去年(503件)を下回るか。 9月末までの累計は前の年とほぼ同じですが、4月からは毎月前の年を下回り、9月は68件(前の年は169件)です。春からの減り方が年末まで続くかを、府警の統計の更新で確かめられます。
  2. 被害金額が、1年の累計でも去年(約203億円)を下回るか。 被害金額は月ごとには公表されておらず、9月末までの累計で前の年の同じ時期より約15億円少ない、という段階です(速報値)。
  3. 金融機関との情報連携で、どれだけ被害を止められたのか。 取組の中身は答弁で示されましたが、止められた件数や金額は、僕が確かめた範囲では府警のページに見当たりません。
  4. 被害に遭った人の回復の取組。 9月の代表質問で、会派が府警に求めた段階です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

詐欺の話は、怖がらせるためではなく、止まれる場所を知ってもらうために書きました。年末にかけて府警の数字が更新されたら、去年と比べてどうだったのかを、またここでお伝えします。

2026年10月29日 前田将臣

P.S. 大阪府警が、SNS型投資詐欺の手口をスマホで体験できる「仮想体験ツール」を公開しています。9月の答弁でも挙がっていたものです。広告を押すと犯人役からメッセージが届き、株価の動きに合わせて入金や出金まで体験できます。だまされる側の画面を一度見ておくと、本物が来たときに「これ、見たことがある」と気づけるかもしれません。大阪府警「仮想体験ツールで学ぼう!」から試せます。

出典・参考(12件)