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大阪府議会議員前田 将臣
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府議会議員って、何をしている人ですか――一つの市ではできないことを、議会で問い、動くまで追いかける

「府議会議員って、何をしている人?」に、もう少し丁寧に答えます。大阪府の仕事は43市町村にまたがります。府議会は府の方針を決める場で、議員は議会で府に問い、答えを引き出します。10月1日の一般質問で取り上げた泉州12市町のインフラ管理を例に、質問・答弁・まだ決まっていないことまでをお見せします。

どうも、前田将臣です。大阪府議会議員をしています。

「府議会議員って、ぶっちゃけ何してる人なんですか?」。短い動画で、この質問に答えました。ただ、1分ほどの動画で話せたのは、入口だけでした。

なので、ここではもう少し丁寧に答えます。府の仕事はどこまで広いのか。府議会議員は議会で何をしているのか。そして、10月1日に議会で実際に聞いたことを一つ取り上げて、質問と答弁、その先にまだ決まっていないことまでをお見せします。動画で話した「岸和田の使われていない海」と「施設を出た子」のことは、後半で触れます。ここでは、まだ記事で深く書いていない、いちばん新しい質問から入ります。少し長くなりますが、お付き合いいただけたらうれしいです。

白黒漫画1ページ。街角で、スマートフォンを構えた聞き手が「府議会議員って、ぶっちゃけ何してる人なんですか?」と聞く。府議の役のキャラクターが「地元の声を聞いて回る人。それも大事な仕事です」「でも、それだけちゃうんです」と答え、道路・港・病院・子どもの施設の絵を示して「大阪府は、四十三の市町村をまたいで仕事をしています」と話す。最後に読者に向かって「議会で何を聞いて、府がどう答えたか。ここで話していきます」と語りかける。
図1 動画の撮影の場面を漫画にしたもの(イメージ。AI生成の漫画で、登場人物は架空のキャラクターです。実在の人物の似顔絵ではありません)。

「名前を見る人」「話を聞いて回る人」。それも大事な仕事です

府議会議員と聞いて思い浮かぶのは、たぶん、選挙のときに名前を見る人。地元を回って、要望を聞く人。それくらいのイメージだと思います。

それも大事な仕事です。そこは否定しません。僕も地域を回って、話を聞いています。

でも、それだけではありません。

聞いた話を、どこへ持っていくのか。誰に、何を求めるのか。そこから先が、府議会議員の仕事の大きな部分です。そしてその仕事は、ふだんあまり目に入りません。

府の仕事は、一つの市の中で終わらないものが多いんです

大阪府の中には、43の市町村があります(33市・9町・1村)。

府議会の案内では、市町村は「住民に最も身近な」自治体、都道府県は市町村を包む「広域の」自治体と説明されています。住民票やごみの収集のように、暮らしのすぐそばの仕事は市町村。いくつもの市町村にまたがる仕事や、一つの市町村では担いきれない仕事を、府が受け持っています。

たとえば、僕が議会で取り上げてきたものだけでも、こんなものがあります。

  • 道路:泉州の山手を東西につなぐ泉州山手線
  • 港:岸和田と忠岡にまたがる木材コンビナートの貯木場、阪南2区の岸壁
  • 病院:泉州の12市町に広がる医療圏で、病院の役割分担をどう考えるか
  • 子どもの施設:児童養護施設や、府の子ども家庭センター(児童相談所)
  • 新しい産業:副首都・大阪に向けた企業誘致

10月1日の一般質問では、9つの項目を聞きました。答弁を求めた府の部局は、6つあります。

2026年10月1日の一般質問9項目と、答弁を求めた府の部局の一覧。副首都推進局長に副首都像のエリア形成、商工労働部長に企業誘致、大阪港湾局長に阪南2区の耐震強化岸壁、環境農林水産部長に海のおもてなし構想と大阪産(もん)のPR、都市整備部長に泉州山手線の山直工区・府営公園の次の指定管理者の募集・泉州の群マネへの支援、健康医療部長に泉州圏域の地域医療構想。答弁を求めた部局は6つ。
図2 1日の質問で、答弁を求めた府の部局は6つ。出典:大阪府議会「質問予定概要」(2026年9月29日、前田将臣)。2026年10月21日確認。

規模で言うと、府の令和8年度の当初予算案は、一般会計だけで3兆9,216億円でした。府議会は、こうした予算案や条例案を審議して、賛否を決めます。

府議会議員の仕事は、「決める」と「聞く」です

知事も府議会議員も、府民が直接選挙で選びます。そのうえで府議会は、予算や条例などの議案を審議して、府の方針を決める場です。

議員の仕事は、大きく二つです。

一つは、決めること。予算や条例に賛成するか、反対するか。

もう一つは、聞くことです。本会議の一般質問や委員会で、府の方針や事業について問い、責任者から答えを引き出します。答弁は議会の記録に残り、府の考えを公の場で確かめたことになります。

本会議で一般質問に立てる回数は、そう多くありません。僕の場合、2019年10月に初めて立ってから、この7年で6回です(ほかに、会派を代表した質問が1回)。だから一回ごとに、地域のこと、大阪全体のことを、何を聞くか絞り込んで臨みます。委員会では、その時々に所属する分野について、もっと細かく聞いています。

10月1日、泉州12市町の「道路や公園を守る人」のことを聞きました

10月1日の9項目のうち、一つを詳しくお見せします。泉州の「群マネ」です。

道路や橋、公園、下水道。こうしたインフラの点検や修繕は、それぞれの市や町の仕事です。ところが、それを担う技術職員が、市町によってはとても少ないんです。

国の資料で、泉州の12市町の土木・建築の技術職員の数を見ると、こうなっています。

泉州12市町の土木・建築の技術職員の数を示す横棒グラフ(2022年4月時点)。岸和田市93人、和泉市75人、貝塚市41人、泉佐野市36人、泉大津市29人、泉南市26人、阪南市25人、熊取町22人、高石市17人、岬町11人、田尻町7人、忠岡町3人。
図3 泉州12市町の土木・建築の技術職員の数(2022年4月時点。一般行政部門の土木技師と建築技師の合計。人口は2020年)。出典:国土交通省「群マネモデル地域 選定案件一覧」(2023年12月、総務省「地方公共団体定員管理調査」等から国土交通省が作成)。2026年10月21日確認。

岸和田市は93人。一方、忠岡町は3人、田尻町は7人、岬町は11人です(2022年4月時点)。

町の大小はあっても、守るべき道路や公園があることは変わりません。少ない人数で、全部を一つの町で抱え続けるのは大変です。

そこで国は、いくつもの市町のインフラを一つの「群」としてまとめて管理する考え方を進めています。これが「群マネ」(地域インフラ群再生戦略マネジメント)です。2023年12月、国はそのモデル地域を全国で11件選び、その一つに、泉州の12市町と大阪府が入りました。12市町は検討会をつくり、道路・公園・下水道の分野で、市町どうしの連携を話し合ってきました。

質問の中でも触れましたが、国の伴走支援は2025年度で終わっています。そのため市町からは、取組を続けていくために府にもっと関わってほしい、という声が上がっています。

一つの市ではできないことを、広く見て、支える。これは府の仕事です。だから、府としてどう技術支援をするのかを、都市整備部長に聞きました。

白黒漫画1ページ。10月1日の大阪府議会の議場。質問に立つ府議の役のキャラクターが、多くの市町村で土木の技術職員が足りていないこと、国の支援が終わった今、府としての技術支援はどうなるのかを問う。答弁に立つ部長の役のキャラクターが、府はこれまで12市町の検討会にオブザーバーとして参加してきたこと、今年度から府の連携の場で技術支援をしていること、大学と連携する協定の準備も進めていることを答える。最後に府議の役が、情報共有にとどまらず、データの共同活用や人材育成まで支えてほしいと求める。ナレーションの枠に「協定は、まだ準備中」。
図4 10月1日の質問と答弁を漫画にしたもの(AI生成。登場人物は架空のキャラクターで、実在の人物の似顔絵ではありません。セリフは質問と答弁の要旨を分かりやすい言葉に直したもので、一言一句の再現ではありません)。根拠は、2026年10月1日の本会議の公式録画。

答弁の要点は三つでした。

一つ目。府はこれまで、12市町がつくった検討会にオブザーバーとして参加し、府の維持管理の取組や、他の府県の進んだ例を共有してきた。

二つ目。今年度から、府が設けている「地域維持管理連携プラットフォーム」(府と市町村、大学などが、土木事務所の単位で維持管理の知識を共有したり、研修をしたりする場)に、この検討会を位置づけた。市町の継続的な検討や、市町どうしの連携を進めるための技術支援を行っている。

三つ目。道路の維持管理データの分析などで支援を受けてきた大阪大学や大阪公立大学と連携し、群マネを総合的に進めるための、全国初となる協定の準備を進めている。

そのうえで僕は、情報を共有するところで止まらず、維持管理のデータの共同活用、共通化できる仕事の検討、人材の育成まで支えてほしいと要望しました。12市町に共通する課題を整理して、国への支援の要請も府が後押ししてほしい、とも求めました。質問で求めた内容は、群マネへの支援の記事にもまとめています。

答弁をもらっても、まだ決まっていないことがあります

ここは、正直に書いておきます。

まず、府が検討会をプラットフォームに位置づけたのは、府が今年度から始めていたことです。僕の質問で決まったわけではありません。質問は、府がどこまで関わるのかを議会の場で確かめ、その先を求めたものです。

そして、まだ決まっていないことがあります。

  • 大学との協定は「準備を進めている」段階です。10月21日時点で、締結の発表は府の報道発表では見つけられていません。
  • 12市町が、どんな形で一緒に管理するのか。国の今年度の事業で、貝塚市が中心になって、広域で連携する体制や、仕事をまとめて発注するやり方を調べている段階です。
  • 僕が求めたデータの共同活用や人材育成を、府がどこまで支えるのか。答弁は「ニーズに応じたきめ細やかな技術支援に努める」というもので、具体的な中身はこれからです。
泉州の群マネの経緯と現在地の年表。2023年12月、国が群マネのモデル地域を選定し、全国11件の一つに泉州12市町と大阪府。2023年12月から、12市町が検討会で道路・公園・下水道の連携を議論し、府はオブザーバー。2025年度、国の伴走支援が終わる。2026年度、府の地域維持管理連携プラットフォームに検討会を位置づけ府が技術支援。2026年度、国の事業で12市町の維持管理の体制づくりの調査が採択(調査主体は貝塚市)。2026年10月1日、一般質問で府の技術支援を問い、データの共同活用・業務の共通化・人材育成まで支えるよう要望。準備中として、大阪大学・大阪公立大学と連携する協定。
図5 泉州の「群マネ」のこれまでと現在地。出典:国土交通省 報道発表(2023年12月1日)、同「令和8年度 先導的官民連携支援事業」資料、2026年10月1日の本会議の公式録画(質問と都市整備部長の答弁)。国の伴走支援の終了は、質問の中での説明です。点線の枠はまだ実現していないこと。2026年10月21日確認。

答弁が出たからといって、暮らしの何かがすぐ変わるわけではありません。ここからが長い。

一度聞いて終わりにしないのは、7年前に学んだからです

議会では、一度質問して、前向きな答弁をもらったら、そこで一区切りになりがちです。

でも、答弁は、ハンコみたいなものだと思っています。押してもらっても、誰かが持って走らないと、動きません。

それを最初に学んだのが、動画で話した「岸和田の使われていない海」、木材コンビナートの貯木場でした。2019年10月4日、初めての一般質問で取り上げた場所です。知事からは、府として積極的に協力していく、という趣旨の答弁がありました。でも、そのとき出ていた太陽光発電の案は、実現しませんでした。

だから2021年には、府が中心になって動いてほしいと求めました。その後も、使い道、土地のつくり方、呼び込む産業と、問いを変えながら聞き続けています。今年で7年目です。経緯は貯木場の記事にまとめています。

同じ初めての質問では、児童養護施設などを出た子が相談できる職員を、施設ごとに置いてほしいとも求めました。2020年度から国の事業として、施設にそうした職員を置けるようになりました。国の判断で、多くの人の積み重ねがあってのことです。ただ、職員を置けることと、施設を出た子が実際に頼れることは、同じではありません。これも追いかけ続けています。経緯は、近く記事にまとめます。

こういう仕事は、ニュースにはなりにくい。言ってみれば「見えない仕事」です。でも、暮らしには確実につながっています。群マネも、その一つだと思っています。

僕が、府議会議員の仕事だと考えていること

一つの市ではできないことを、広く見て、動かす。それが府の仕事です。

そして府議会議員の仕事は、その府に、議会で問うこと。決まるまで、動くまで、追いかけることだと考えています。

もう一つ、大事にしていることがあります。誰もまだ考えていないこと、あまり関心を持たれていないことに、力を注げること。それが、政治家をやる意味だと思っています。町の技術職員が3人、という話は、選挙のポスターからはまず見えません。でも、毎日通る道や、子どもが遊ぶ公園の安全は、そこにかかっています。

僕は、大阪を、新しい挑戦が育つ場所にしたいと思っています。正解を一人で決めて渡すのではなく、挑戦する人と一緒に、何が要るのかを考えて、試していきたい。その途中も、ここで見せていきます。

次に何が分かれば、前進したと言えるのか

群マネについて、これから見ていきたいことを三つ書いておきます。

  1. 大学との協定
    • 今どこまで来ているか:10月1日の答弁で「準備を進めている」段階。
    • 何が分かれば前進か:協定が結ばれ、府と大学が12市町のために何を一緒にするのかが示されることです。
  2. 12市町が一緒に管理する体制
    • 今どこまで来ているか:国の今年度の事業で、貝塚市を中心に、広域の連携体制とまとめて発注するやり方を調べている段階。
    • 何が分かれば前進か:調査の結果、どの仕事を、どの市町と、どんな形で一緒にするのかの案が示されることです。
  3. 府の技術支援の中身
    • 今どこまで来ているか:府の連携の場に検討会を位置づけ、技術支援をしている、という答弁。
    • 何が分かれば前進か:データの共同活用や人材育成を、府がどう支えるのかが具体的に示され、少ない人数の町の負担が実際に軽くなったかが分かることです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

これからも、議会で何を聞いて、府がどう答えたのか。それを僕はどう考えているのか。まだ答えが出ていないことも含めて、ここで書いていきます。よかったら、続きを見ていてください。

2026年10月21日 前田将臣

P.S.

府議会議員が議場で実際に何をしているのか、一度、自分の目と耳で確かめてみてください。

10月1日の群マネの質問と、都市整備部長の答弁は、府議会の公式録画で見られます。動画の23分ごろからの約3分です。

出典・参考(11件)